ねえパパ、添い寝ってダメなの?ネットでダメって書いてるの見たんだけど……理由がいまいちピンとこなくて。
うん、それ俺も気になって調べてみたよ。小児科医じゃないけど、論文読んで丁寧に調べてみた。
■ 添い寝のリスクとは?
添い寝(bed-sharing)とは、赤ちゃんと保護者が同じベッドや布団で寝ることを指します。一見、親子の距離が近くて安心感がありそうに思えますが、赤ちゃんの安全という点では多くのリスクがあることが分かっています。
■ どんな危険があるの?
最も大きなリスクは、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と「窒息や圧迫による事故」です。
- SIDS(乳幼児突然死症候群): 健康だった赤ちゃんが、眠っている間に何の前触れもなく命を落とすこと。原因は完全には解明されていませんが、添い寝でリスクが2〜3倍に高まるとされます[1][2]。
- 窒息や絞扼: 掛け布団で口や鼻がふさがったり、大人が無意識に赤ちゃんに覆いかぶさったりして、呼吸ができなくなる事故。特に生後3か月未満の赤ちゃんは、自力で顔を動かせず危険です。
■ 赤ちゃんがどんな状態になるの?
こうした事故が起こると、赤ちゃんは苦しくても泣けない・動けない・気づかれないまま、呼吸が止まり、命を落とす危険があります。
特に以下の条件ではリスクが跳ね上がります:
- 親が喫煙している
- 飲酒・薬の影響で反応が鈍い
- ソファや柔らかい布団など不安定な寝具
■ ガイドラインではどうなってるの?
アメリカ小児科学会(AAP)は、添い寝(ベッドシェア)は一切推奨しないとしています。その代わりに、親と同じ部屋で、赤ちゃん専用の安全な寝具(ベビーベッドなど)で寝かせる「ルームシェア」が最も安全とされています[1]。
なるほど……。でも、夜中の授乳のこととか考えると、すぐ隣で寝てるほうが楽だし、ベビーベッド置くスペースも正直ないんだよね……。
うちも実はそうだったよね。スペースもなかったし、夜中の授乳やオムツ替えを考えると、完璧な環境にするのは正直難しかった……。
■ 我が家でどうしたか?
我が家では、寝室にベビーベッドを置くスペースがなかったこと、夜中の授乳への対応をしやすくしたいという理由から、ベッドインベッドを使いました。
ダブルベッドを2つ用意し、1つに父と長女(3歳)が寝て、もう1つにベッドインベッドを置き、母と次女(0歳)が寝ていました。掛け布団は赤ちゃんと分けて使用していました。
ただし、これはあくまで苦肉の策であり、医学的には安全性が保証された方法ではないというのが正直なところです。ガイドライン上はベッドインベッドも「添い寝」と見なされ、リスクがあるとされています。
そのため、寝返りが始まった時点でシングル布団を床に敷き、次女を一人で寝かせるスタイルに変更しました。
完璧な方法ではないけれど、「少しでもリスクを減らす」という視点で選んだ我が家なりの工夫です。
■ まとめ
添い寝は赤ちゃんにとって予期せぬ命のリスクにつながる可能性があります。
それでも育児には現実的な制約もあるからこそ、「危ない状況をできるだけ避ける」という柔軟な視点が大切だと思います。
■ 参考文献
- Moon RY, Carlin RF, Hand I. Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment. Pediatrics. 2022;150(1):e2022057990. doi:10.1542/peds.2022-057990.
- Moon RY, Carlin RF, Hand I. Evidence Base for 2022 Updated Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment to Reduce the Risk of Sleep-Related Infant Deaths. Pediatrics. 2022;150(1):e2022057991. doi:10.1542/peds.2022-057991.
コメント