「おしゃぶりっていつまで使っていいの?」


■パパ、がんばって論文読んでみた
というわけで、小児科の専門医ではないけれど、娘のために信頼できそうな論文やガイドラインをいくつか読んでみました。学術誌に載ってるような難しそうな論文だったけど、パパなりに頑張って要点をまとめてみたよ。
■おしゃぶりと歯並びの関係
おしゃぶりを使いすぎると、歯並びが悪くなるリスクがあることが分かっています。特に、
- 開咬(かいこう):前歯がかみ合わず、上下にすき間ができる
- 交叉咬合(こうさこうごう):奥歯のかみ合わせが左右にずれる
こういったタイプの歯列不正につながる可能性があるそうです[1][2][3]。
また、使う期間が長いほどリスクが高まることが、複数の研究で報告されています[1][2][4][5]。
■いつまでならOK?
さまざまな専門家の意見をざっくりまとめると、
- 1歳(12か月)〜2歳(24か月)までにやめるのが理想
- 遅くとも3歳までには卒業しておきたい
というのが共通した見解のようです[6][7]。
実際、アメリカ小児科学会(AAP)やアメリカ小児歯科学会(AAPD)も、「3歳までの使用なら大きな問題は起きにくく、やめれば自然に改善することが多い」と述べています[6]。
■指しゃぶりと比べると?
ちなみに、おしゃぶりよりも指しゃぶりの方が歯への影響は強いとも言われています。理由は「やめさせやすさ」にもあるようで、親が管理しやすいのはおしゃぶりの方なんです[6][9]。
■矯正用おしゃぶりって効果あるの?
最近は「矯正用おしゃぶり」というものも売られています。普通のおしゃぶりよりも歯に優しいという説明がついているけれど、
- 効果があるという研究もある
- でも「大差ない」とする研究もある
という感じで、結論はまだはっきりしていません[3][8]。
いずれにせよ、どんな種類であっても、2〜3歳を超えると歯列への影響は出やすくなるようです[2][3][8]。
■まとめ:早めに卒業をめざそう
- おしゃぶりは1〜2歳での卒業が理想的
- 遅くとも3歳までにはやめたほうがいい
- 矯正用おしゃぶりでも長く使えばリスクはある
- 続くようなら、歯科で相談してみよう


■我が家の場合:5秒で終了
この記事をまとめた後、我が家では「次女の寝かしつけが楽になるかも」と思って、おしゃぶりを試してみました。すでに7か月だったので、「使い始めてもすぐに卒業しなきゃいけないな」とわかっていながら、今の寝かしつけの苦労を少しでも軽くしたいという気持ちで購入しました。
ところが……次女はおしゃぶりを口に入れてもすぐに「ぺっ」と吐き出してしまい、全く気に入らず。結局、おしゃぶりはほぼ未使用のまま、片隅に置かれることに。
――というわけで、「我が家のおしゃぶり作戦」は、開始5秒で終了したのでした(笑)。
※このブログは内科医のパパが調べた内容をもとにしています。具体的な医療の判断は、小児科や歯科の専門医にご相談ください。
🧾 参照文献
- Doğramacı EJ, Rossi-Fedele G. Establishing the Association Between Nonnutritive Sucking Behavior and Malocclusions: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Am Dent Assoc. 2016;147(12):926–934.e6. doi:10.1016/j.adaj.2016.08.018
- Arpalahti I, Hänninen K, Tolvanen M, Varrela J, Rice DP. The Effect of Early Childhood Non-Nutritive Sucking Behavior Including Pacifiers on Malocclusion: A Randomized Controlled Trial. Eur J Orthod. 2024;46(5):cjae024. doi:10.1093/ejo/cjae024
- Lima AA, Alves CM, Ribeiro CC, et al. Effects of Conventional and Orthodontic Pacifiers on the Dental Occlusion of Children Aged 24-36 months Old. Int J Paediatr Dent. 2017;27(2):108–119. doi:10.1111/ipd.12227
- Belitz GS, Furlan LJN, Knorst JK, et al. Association Between Malocclusion in the Mixed Dentition With Breastfeeding and Past Nonnutritive Sucking Habits in School-Age Children. Angle Orthod. 2022. doi:10.2319/111821-848.1
- Góis EG, Ribeiro-Júnior HC, Vale MP, et al. Influence of Nonnutritive Sucking Habits, Breathing Pattern and Adenoid Size on the Development of Malocclusion. Angle Orthod. 2008;78(4):647–654. doi:10.2319/0003-3219(2008)078[0647:IONSHB]2.0.CO;2
- Krol DM, Whelan K. Maintaining and Improving the Oral Health of Young Children. Pediatrics. 2023;151(1):e2022060417. doi:10.1542/peds.2022-060417
- Moon RY, Carlin RF, Hand I. Evidence Base for 2022 Updated Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment to Reduce the Risk of Sleep-Related Infant Deaths. Pediatrics. 2022;150(1):e2022057991. doi:10.1542/peds.2022-057991
- Caruso S, Nota A, Darvizeh A, et al. Poor Oral Habits and Malocclusions After Usage of Orthodontic Pacifiers: An Observational Study on 3–5 years Old Children. BMC Pediatr. 2019;19(1):294. doi:10.1186/s12887-019-1668-3
- Sexton S, Natale R. Risks and Benefits of Pacifiers. Am Fam Physician. 2009;79(8):681–685.
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